新卒で入った会社を退職しました
新卒採用で入社した、某金融機関を退職しました。
この瞬間は私にとって大きな一歩なので、覚えておけるようにブログに残したいと思います。
1.就活〜入社
就活生が選ぶ入社したい〜とか、安定の〜といったランキングには名前が載っているような会社でした。
自分のこれからの「働き方」を考えた時に、「なにをするか」よりも、バリバリ働きたいけど長く働きたいからワークライフバランスが両立できそうな所で働きたいな〜という「働き方」に焦点をあてて就活し、マッチしている会社だったため入社しました。
私が考えた通り、本当に社員が働きやすい会社だったと思います。
女性で子供がいる方もバリバリ働いておられ、育休や産休もしっかり取得して両立されていました。
夏休みと冬休みもしっかり取ることができ、ボーナスも若手であってもなかなかの額を貰えていたと思います。
社会的にも有名であるため、社会的地位も高く親にも誇れ、安定しているので将来有望だ!と思っていました。
内定者時代からたくさんの先輩方や同期からよくしてもらい、いい会社だ、自分の選択は間違ってないなという充実感で入社を迎えました。
2.入社後の違和感
新人研修を経て、総合職で入った私は地方の支店へ配属となりました。
知らない土地、友達も家族もいない土地、慣れない方言。
覚悟していたつもりでしたが、普段旅行などで行くような場所へ、
片道だけの新幹線切符をもって家を出た日は少し緊張するような、
これからどうなるのだろう。という期待と不安が混じった複雑な気持ちだったことを
思い出します。
実際に、配属されてからは毎日があっという間でした。今振り返ると先輩方も優しくとてもいろいろなことを考えよくして下さったなと感じ、感謝の気持ちになります。
でも実際には、知らない土地で友達も家族もいない土地で最初の1年目は「自由」を楽しむ余裕がありましたが、2年目から仕事が大変(自分のスキルに対する仕事量、責任感の重さ)になってきてからは何度か"ホームシック"になりました。
そんな時でした。これからのこと、自分の人生を考え、もしかしたら20代の今が将来の自分をつくっていく、人生をつくっていく大事な時期なのではと考えた時に、果たして今のままでいいのかな。という違和感を感じ始めました。
尊敬する先輩は多くいらっしゃいましたが、自分が将来こういった先輩のようなスキルを持ち働いていくのだと先輩方を自分の「将来像」として投影した時に、
「自分は本当に、こうなりたいのだろうか」 と思う自分がいました。
朝7:30に出社し、20時、21時に退社。毎日のように接待で飲み会に行き、土日は会社の行事に参加する。日々の営業活動では、クライアントへ腰を曲げ尻尾を振りお願い営業。「これやっておいて」であったり、「これ取りに来て」と本質的でない業務もありました。若手で女性であるというのは良いハンデになるよと言われることがありましたが、その"ハンデ"によって、現代でいう「セクハラ」というものに悩むことも多くありました。金融機関なのでたくさんのルールが決められており、少しでもルールを破るとコンプライアンスに関する重大な事件になります。そうした中でもコンプライアンスのグレーな部分をお願いされたり、巻き込まれかけたりしたこともありました。(会社に嘘をついてごまかして仕事をするということです)
そういった日々を忙殺と過ごす中で、「私はいったい何をしているのだろうか。果たして今こうやって働いていることは自分にとってどんなスキルを身につかせ、将来何に役立てるのだろうか。もし自分が組織や肩書きが外れた時にいったい、社会で戦っていける能力が身についているのだろうか」と思うようになったのです。仕事には「しんどい」と思うことは必ずあると思います。しかし、今私が感じているこの「しんどさ」は、自分にとって何かプラスになるしんどさなのだろうか。会社に嘘をついたりグレーなことを強要されたり、ただただクライアントの御用聞きになっているこのしんどさは本当に耐えるべきものなのだろうか。他の会社より年収がいいから。ボーナスがいいからという理由で仕事を続けている人もいました。しかし、そうしたお金や肩書きに縛られて自分の好きなことやりたいことができないのは違うと思います。実際私の身近には、勤めている会社の給料は平均的でも副業収入で私が勤めていた会社のボーナスくらいの金額を月1単位で稼いでいる人もいたのです。そうした人を見ていると、必ずしも給料がいいからこの会社にいる。という考えは絶対的ではなく、もしそれに縛られているのならもったいない。と思うのです。
もちろん、その会社や業界に違和感を感じているのであれば、「変革」を起こすこともできたと思います。また、その組織や働き方の中に「やりがい」を見出し、今の苦しみは将来必要なことなのだ。と発想の転換をすることもできたと思います。それに、自分の成長になるような業務もありましたし、やりがいを感じてる部分ももちろんありました。
しかし、私はそうやって発想の転換を意識しても、やりがいがある中で仕事のしんどさは当たり前だしそれも含めて働くということだ。このままこの場所で骨を埋めていくんだ。ここで一生働いていくのだ。という、入社した時に考えていた感覚が受け入れられなくなっていたのです。もちろん、この仕事や働き方を否定しているのではありません。ここで働いている方々を尊敬していますし、社会的意義のある仕事であるとも感じています。ただこれは価値観の問題であり、この「働き方」この「世界」が私の価値観に合わなかったんだ。という話だと思っています。
私のこの時の気持ちを代弁してくれていたのが、北野 唯我氏著書「このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法 」です。(この本は最近販売されています。転職後にこの本を読んで、あの時の私の気持ちだ!と思う箇所が多くあったので、ここで引用しています)
「やりがいの乏しい定型業務はテクノロジーで代替 さ れ、 生活コストは下がっていく。 すると、今後、 世の中の仕事 は大別すると三つに分類されていく」 簡単 な 話 だ。 君 は 働かなくてもいい、となったら次 の 三つのうちどれ を 選ぶ?」
1: 仕事として好きなことを続ける
2: 仕事は最小限にして、 趣味に打ち込む
3: 嫌々ながら今の仕事を続ける
テクノロジーが発展し、私が新卒で入った会社もどんどんAIやテクノロジーの力を借りて業務を効率化しようとしています。
実際に、私が仕事について悩んでいる時に、ちょうどメガバンクの業務をAIで効率化し、大幅リストラするなんていう記事が上がってきました。
なので、上記の言葉は心に刺さりました。
「今私がしている仕事はテクノロジーもしくは何かによって代替可能なのではないか。」
私がしたいことは、この中でいう「仕事として好きなことを続ける」ことであり、
その「好きなこと」で社会で、世界で勝負していけるようになりたい。ということなのではないか。と考え始めました。
「つまり、 仕事 を 楽しむ ため には『 マーケット バリュー が ある程度 ある こと』『 求め られる パフォーマンス と マーケット バリュー が ある程度 釣り合っ て いる こと』 は 必要条件 な ん だ よ」(北野 唯我氏著書「このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法 」)
マーケットバリューがあるところで、戦っていきたい。自分が好きなことがそこで活かせればもっといい。そう思っていました。
そして、ちょうどその頃に今の彼と出会いました。
彼は、デジタルマーケティングを極め、世界で戦っていこうとしていました。
その姿を身近で見て、考え方や価値観に触れ、目がさめるようでした。
「これだ!」
私はインターネットが好きで、何かを企画することが好き、マーケティングを考えることも好き。しかもこれからの時代はテクノロジーやIT、Webの世界が発展していき、それらのスキルを持っていれば世界でも戦える。
「これだ!」
3.転職活動
そこから、私がただの未経験文系OLでありながら、Web業界への転職を目指していく挑戦が始まりました。
まずは、プログラミングを勉強し始めました。はじめは彼に教えてもらいながらでした。LPをひたすら模写するという訓練でした。少しずつわかっていく感覚が新鮮で刺激的で、この世界で頑張っていくんだ!という自分の将来に向けての希望と野心で頑張れました。
しかし、そうやってプログラミングを勉強し始めたものの、実際の転職活動はなかなか始められず(実際には勇気が出なかったのかなと思います)そんなグダグダしている私の背中を押してくれ、支えてくれたのは彼でした。そこからリクナビや転職ナビなどエージェントを使って転職活動をスタートしました。正直、そういった大手のエージェントや大手の転職サイトは求人内容もよく、企業もたくさんありましたが、私のような未経験、異業種の人間にとっては、門前払いされるようなところしかなく、(私のアプローチ方法や企業の探し方に問題があったかもしれませんが)面談までいっても、なかなか自分の心にマッチする企業とも出会えませんでした。
そんな中、Wantedlyを使ってみようとふと思い、使ってみると自分が気になる企業が今までより多く見つかり、さらに社長と話ができるチャンスまでつかめたりと、今までの苦難が嘘のように進んでいきました。
そうして、その中で私がブログやフェイスブックやサイト、社長のインタビュー記事などその企業に関するあらゆる記事を舐め回すように見て気になっていた企業の社長と話ができ、ご縁があって内定をいただけたのです。自分のウェブページやポートレートなども用意していきましたが、それを出す場面は一度もなく、純粋に私の考えや価値観、将来像を伝えただけの面談でした。面談というよりもほぼ「お話」に近かったと思います。社長の考えもお伺いできましたが、私が考えていたことをおっしゃっていて面談のあと「ここで私働きたい!」と思ったことを覚えています。本当に私自身のことを見てくださったと感じています。
なので、こんな未熟な私を拾っていただけたことは本当に感謝しなければならないですし、1日でも早く会社に貢献できるよう成長していきたいと強く思っています。
ちなみに今だから言えることですが、「自分がやりたいこと」を見つけそれに向かって挑戦したいと思い出してから、毎朝会社に行くと吐き気がしてトイレにこもったり、突然全身に虫刺されのような赤い腫れができてかゆくて皮膚科に行ったら、ストレス性蕁麻疹ですね。と言われたりといった謎の現象が起きて体が悲鳴をあげていました。
現職と転職の両立はやはり難しいということなのかな、と思ってその時は大丈夫でしょう!と乗り切っていましたが、内定が決まったらパタッとこの症状が止まったので、やはり早く次の世界へ行きたかったのかな...と思ったり。親には、体がサインを出していたのかも。限界が来る前に辞めれてよかったのかもしれない。とも言われました。
4.退職
退職することが決定してから、私は多くのことに気づかされました。
私がここまでこれたのは、周りの人達がいたからだ。ということです。
特に彼はいつでも近くで支えてくれ、時には厳しい言葉も言ってくれて常に応援してくれました。彼がいたから、私はここまでこれたと本当に思っています。1人ではここまでこれなかった。そう思っています。
また、両親も総合職で地方配属で実家を出た私が転職すると言い出すと思いきや地元に戻らずそのまま配属先の土地で彼とすごしていくという私を、大きな心で受け止めて、私の選択を信じているし応援すると言ってくれました。
退職が決まり社内外の関係者各位へ挨拶をした時には、応援するよと多くの人から言っていただきました。
この選択はもしかしたら私の自己的な考えであり誰かに迷惑をかけているかもしれません。それにもかかわらず、私の周りの人達は大きな心で受け入れてくださり、それだけでなく応援の言葉をくれました。
このことは忘れてはいけないですし、みんなからの期待や応援に応えていきたいと強く思いました。
今回のことは、自分が新卒で入社した会社を退職し、やりたいことを見つめ直し、それに挑戦したある意味人生の中で大きな転換期であると思います。
自分のこの選択肢を信じて、野心を忘れず、謙虚さを忘れず、頑張っていきたいです。
もしこの長文を最後まで読んでくださった方がいれば感謝いたします。
同じような気持ちの人の少しでも何かお役に立てたら光栄です。
2018年8月31日